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2017年12月28日(木) 12時54分

レントゲン何回も? /大阪

 皆様が歯科治療をお受けになる際、レントゲン撮影に対する僅かな嫌悪感は撮る側にもひしひしと伝わっております。治療開始前にどの歯が原因か特定するのにレントゲン、途中でレントゲン、最後は確認でレントゲン、一体何回レントゲンを撮るのかと思われているかもしれません。近年の報道から放射線被ばくイコール発がんと脳裏をよぎるのも仕方の無いものと思われます。ここで少し難しいお話になりますが、皆様の不安を払拭(ふっしょく)させるため、科学的なことも交えてご説明したいと思います。歯冠修復

 まず初めに近年よく耳にする「シーベルト」とは放射線の量をあらわす単位で、1シーベルトは被ばくの無い日常生活と比べて、被ばくによって突然変異(発がんも含む)を生じる確率が2倍となる倍加線量のことです。この際、固形がん発症相対リスクは研究の結果0・5(リスク1は発がん可能性大)で大雑把にいえば発がんするかどうかは五分五分ということになります。エアスケーラー

 そこで本題ですが、歯科用レントゲン撮影時での被ばく線量は0・01ミリシーベルトとされています。つまり1シーベルトの10万分の1、歯科用レントゲン撮影10万回分に相当することになります。また、ICRP(国際放射線防護委員会)勧告の基準では、安全率をみて、年間人工被ばく線量は1シーベルトの1000分の1である1ミリシーベルト以下が望ましいとしていますが、これは歯科用レントゲン撮影100回分に相当することになります。このことからも歯科用レントゲン撮影のリスクは限りなく0に近いことがお分かりいただけると思います。余談ですが、日本で普通に生活をしていて、1年間で被ばくする自然放射線は2・1ミリシーベルトで歯科用レントゲン撮影210回分に相当します。

 このように歯科用レントゲン撮影は皆様が極端に心配される程の放射線被ばくではないうえ、近年は従来のアナログ方式からデジタル方式に移行しつつあり、被ばく線量の軽減化が図られております。撮る側の歯科医もレントゲン撮影に際しては最小限の被ばくで済むよう留意し、また、乳幼児や妊婦の方々に対してはレントゲン撮影を極力慎むようにいたしておりますので、最低限のレントゲン撮影にはご理解いただきたいと思います。(府歯科医師会学術部)
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